帝国ホテルは2024年から建て替え決定、2036年完成
帝国ホテルといえば、近代建築の三大巨匠の一人であるフランクロイド=ライト設計です。現在は、1階ロビーには展示コーナーがあり当時の姿を模型を通して確認することができます。模型は丁寧に細部にこだわって製作してありじっくり確認できます。
外務卿・井上馨の命により、渋沢栄一(後の帝国ホテル 初代会長)、大倉喜八郎の手により1890年11月3日 帝国ホテルは日本の「迎賓館」の役割を担って開業しました。(帝国ホテルHPより)旧本館ライト館は2号館にあたり1923年に竣工し「東洋の宝石」と言われました。竣工披露の日(9月1日)が関東大震災とたいへんな惨事と重なりましたが、構造にもこだわって建築された帝国ホテルの被害は軽微にとどまりました。ライト曰く「マヤの意匠」とされた外観は幾何学的なデザインの大谷石、スクラッチ・タイル、そしてテラコッタによる装飾などライトのこだわりを感じられます。



メモ
フランク・ロイド・ライト[1867〜1959]
近代建築の3巨匠のひとり
代表作;ロビー邸(シカゴ)、グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ジョンソン・ワックス本社(ウィスコンシン州)、落水荘(カウフマン邸;ペンシルベニア州) 日本では・・・2代目帝国ホテル「本館」(東京)、山邑邸(兵庫県芦屋市)
工業大国のアメリカにおいて建築は「有機的」なければならないと主張し、プレーリー・ハウス(草原住宅)の提案を行っています。
関連
帝国ホテルでは以下の企画が行われいます。
企画展示「The Wright Imperial; A Century and Beyond」
本館1階に2017年7月に開設した、ホテルの歴史を紹介する常設の展示スペース「インペリアル タイムズ」内の特別企画第7弾として、2代目本館「ライト館」の建築やそこで生まれ、今日に継承されている文化について紹介する企画展示を行っています。展示場所: 帝国ホテル 東京 本館1階メインロビー内「インペリアル タイムズ」
期 間: 2022年9月1日(木)~2023年8月31日(木)(予定) ※鑑賞無料
主な展示内容:
・建材や設計士を中心としたライト館建設に関する展示
・幾何学模様の家具や調度品の紹介
・現本館、新本館についての紹介
・ライト館建設に携わったライトと日本人の紹介
・ライト館で生まれ今日まで続く文化的行事の紹介
・当時の「制服」を復刻・写真パネルの展示
・当時の「客室」の一部を再現
当時のエントランスからレストランに至るまでの動線をデジタル映像で再現されています。
当時の調度品、光のあたり方などこだわりを感じることができます。
ミュージカルの殿堂 帝国劇場

帝劇は1911年に日本初の本格的な西洋式大劇場として開場しています。現在の建物は66年に完成した2代目で築50年超えとなっています。レ・ミゼラブル、ミスサイゴン、エリザベートなど数々のヒット作が上演されてきました。2025年をめどに閉館され再開発が行われます。
ミュージカルの公演はいつも争奪戦で、観劇できることで気持ちが高ぶり、建物内部に目がいくことはなかったですが、あらためて見ると装飾にこだわりを感じることができました。




劇場の入り口 碑より
”小林一三翁の意志を体し此処に
世界の演劇の発展のための一つの礎石として
帝国劇場を新築し開場いたします
昭和四十一年九月廿日
建築関係者
意匠設計;谷口吉郎
技術設計監理 株式会社 阿部事務所
施工 株式会社 大林組
美術関係者;ステンドグラス 「律動」 猪熊 弦一郎
仮面 「喜怒哀楽」 本郷 新
壁掛 「飛天」 脇田 和
志野タイル壁面 加藤 藤九郎
緞帳 「金彩」「銀彩」 谷口 吉郎
瓔珞 井原 通夫
家具 小林 保治
調度 阪急百貨店
とあります。内部の装飾は開場以来残っているのがわかります。
まとめ
日本を代表する帝国ホテルと帝国劇場があと数年で建て替えのため解体されます。
いま一度、じっくり目に焼き付けておきましょう。