1.メモリーツリーで鉄骨構造の内容を整理、分類して確実にマスターしよう
こんにちは、一級建築士の受験生を応援するために"メモリーツリー"を作成しました。
学科Ⅳ 構造では、鉄骨構造に関する出題が例年〔No.15〕〜〔No.18〕で4問程度あります。設問は、①鉄骨構造に関する②鉄骨構造の接合部に関する③鉄骨構造の設計に関する④鉄骨構造の耐震計算に関すると①〜④パターンをアレンジした問題が多くなっています。
今回は、③鉄骨構造の設計に関する問題を集めて”メモリーツリー”を作成しています。主に曲げ座屈、横座屈、局部座屈、靭性に関連する問題で構成されています。よく出る用語として細長比、幅厚比、横補剛材があります。各座屈の特徴を理解し、それぞれの制限、補強の方法などを理解しておきましょう。
また、柱脚に関する設問を中心に出題される年もあります。露出型、根巻型、埋込型の3種類から、応力の伝達方法など柱脚の設計と特徴に関連した設問がよく出ていますのでそれぞれマスターしましょう。
☞メモリーツリーは、こちらをクリックして下さい。構造3 鉄骨構造③
2. 対策と傾向
傾向
1 横補剛材の設置に関する問題がよく出題されています。
⭕️均等間隔に設けることができない場合は、梁端部に近い部分を主に設置する。
2 局部座屈と幅厚比の関係がよく出題されています。
⭕️幅厚比が大きいほど局部座屈しやすい、変形性能が低い。
⭕️材料の基準強度が大きいほど幅厚比の制限値は小さくなる。
3 柱脚に関連する問題がH29に1問まるまる出題されています。H27、R3年にも出題されています。いづれの年も”最も不適当なもの”で解答になっています。力の伝達の考え方、細かい数値まではマスターしておきましょう。
対策
令和4年
〔No.17〕 鉄骨構造の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.H形鋼を用いた梁の全長にわたって均等間隔で横補剛を設ける場合、梁のせい、断面積及び ウェブ厚さが同一であれば、フランジ幅が大きい梁ほど必要な横補剛の箇所数は多くなる
答 ○
2.工場や体育館等の軽量な建築物の柱継手・柱脚の断面算定においては、暴風時の応力の組合せとして、積載荷重を無視した場合についても検討する。
答 ❌
3.一般に、細長比の大きな筋かいは強度抵抗型であり、細長比の小さな筋かいはエネルギー吸収 型であるといえるが、これらの中間領域にある筋かいは不安定な挙動を示すことが多い。
答 ○
4.冷間成形角形鋼管柱に筋かいを取り付ける場合、鋼管柱に局部的な変形が生じないように補強 を行う必要がある。
答 ○
令和3年
〔No.17〕 鉄骨構造の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.ベースプレートの四周にアンカーボルトを用いた露出型柱脚としたので、柱脚には曲げモーメントは生じないものとし、軸方向力及びせん断力に対して柱脚を設計した。
答 ❌
2.H形鋼梁の横座屈を抑制するため、圧縮側のフランジの横変位を拘束できるように横補剛材を取り付けた。
答 ○
3.曲げ剛性に余裕のあるラーメン架構の梁において、梁せいを小さくするために、建築構造用圧延鋼材SN400Bの代わりにSN490Bを用いた。
答 ○
4.小梁として、冷間成形角形鋼管を使用したので、横座屈が生じないものとして曲げモーメントに対する断面検定を行った。
答 ○