1 メモリーツリーで鉄骨構造 接合部に関する問題をマスターしよう
こんにちは、一級建築士の受験生を応援するためにメモリーツリーを作成しました。
学科Ⅳ 鉄骨構造に関連する問題のうち、設問でよく出題される接合部に関する問題をまとめてにしています。
過去問を並べることで、溶接、高力ボルトに関する問題が交互に出題されているなどわかるものがあります。「最も不適当なもの」(❌)だけを確認することで出題者が何を意図して問題を出しているか検討することもできます。
鉄骨構造は、構造の中でも重要な理解しておかなければいけないものがたくさんありますが、よく出題されるものから整理してマスターしていくことで得点アップを目指せます。時間がない時は高力ボルトか溶接で山を張り高力ボルトだけでも完璧を目指すことでも消去法で正解に導き出せることもできます。
2 傾向と対策
傾向
1.鉄骨構造に関する問題で例年1問出題されている。大問で溶接、高力ボルトが交互に出ていたが、R3、R4年は、1問で溶接、高力ボルトに関連する問題が2題ずつ出ている。「最も不適当なもの」は、溶接、高力ボルトから交互になっている傾向がある。解答は4が多い。
2.よく出る用語は、溶接で、ノンスカラップ、パス間温度、エンドタブ、高力ボルトですべり係数、摩擦接合などがあげられる。
3.応力の考え方の出題が多いので、各接合方法の特徴、用途を理解しましょう。
対策
令和4年
〔No.18〕 鉄骨構造の接合部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.溶接するに当たっては、溶接部の強度を低下させないために、入熱量及びパス間温度が規定値 より小さくなるように管理する。
答 ○
2.柱梁接合部の梁端部フランジの溶接接合においては、梁ウェブにスカラップを設けないノンスカラップ工法を用いることにより、塑性変形能力の向上が期待できる。
答 ○
3.高力ボルト摩擦接合部にせん断力と引張力が同時に作用する場合、引張応力度に応じて高力ボルト摩擦接合部の許容せん断耐力を低減する。
答 ○
4.山形鋼を用いた筋かい材を、ガセットプレートの片側に高力ボルト摩擦接合により接合する場合、降伏引張耐力の算定において筋かい材の有効断面積は、筋かい材全断面積からボルト孔による欠損分を除いた値とする。
答 ❌
令和3年
〔No.16〕 鉄骨構造の接合部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.高力ボルト摩擦接合において、肌すきが 1 mmを超えるものについては、母材や添え板と同様の表面処理を施したフィラープレートを挿入し、高力ボルトを締め付けた。
答 ○
2.高力ボルト摩擦接合の二面せん断の短期許容せん断応力度を、高力ボルトの基準張力T0 ( 単位 N/mm2)に対し、0.9 T0とした。
答 ○
3.基準強度が同じ溶接部について、完全溶込み溶接とすみ肉溶接におけるそれぞれののど断面に対する許容せん断応力度を、同じ値とした。
答 ○
4.角形鋼管柱とH形鋼梁の柱梁仕口部において、梁のフランジ、ウェブとも完全溶込み溶接としたので、梁端接合部の最大曲げ耐力にはスカラップによる断面欠損の有無を考慮しないこととした。
答 ❌