1.メモリーツリーで構造 鋼材に関する問題をマスターしよう!
こんにちは、一級建築士の受験を応援するためにメモリーツリーを作成しました。
学科Ⅳ 構造で例年No.27〜29あたりで建築材料に関する問題が3問出題されています。内容は、コンクリート、木材、鋼材(鉄)でそれぞれで1問づつあります。
今回は、鋼材に関する問題を集めて、関連する用語を紐付けし"メモリーツリー"を作成しています。構造のこの単元では、同じ内容、類似問題が多く出題されていることがわかります。
毎年、正解率の高い問題であると推測されますので、取りこぼしがないように過去問をしっかり押さえ対策を行なってください。
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2 傾向と対策
傾向
1 建築構造用圧延鋼材SN材についての出題が多く、特に490C・・・C種の特性、違いを理解しておきましょう。
2 シャルピー衝撃試験に関する出題も多くなっています。吸収エネルギーが大きい鋼材を使うと、溶接部の脆弱的破壊を防ぐのに有利になる。SN材のB・C種ではシャルピー吸収エネルギーが27J以上と規定されている。吸収エネルギーが大きいほど靭性が大きく、小さいほど脆性的と評価される。
3 ステンレス、アルミについても出題され令和2年は、最も不適当なものでアルミが解答になっているので特性を押さえましょう。
4 降伏比は、この4年は出題されていないが、過去10年では出題された時は最も不適当なもので解答になっています。降伏比は「降伏点/引張強さ」で小さいほど部材の塑性変形能力が高いことを覚えましょう。
対策(近年の出題から)
令和4年
〔No.29〕 鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.炭素鋼は、硫黄の含有量が少ないほど、シャルピー吸収エネルギー及び板厚方向の絞り値が大 きくなる。
答 ○
2.鋼材は、板厚に対し極端に小さな曲げ半径で冷間曲げ加工を行うと、加工前に比べて強度が上 昇し、変形性能が低下する。
答 ○
3.角形鋼管柱の通しダイアフラム等に用いられている、建築構造用圧延鋼材(SN材)C種には、板厚方向の絞り値の制限がない。
答 ❌
4.建築構造用圧延鋼材SN400Aは、降伏点の下限のみが規定された鋼材であり、降伏後の十分な 変形性能が保証された鋼材ではないので、一般に、弾性範囲で使用する部位に用いる。
答 ○
令和3年
〔No.29〕 鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.構造用鋼材では、一般に、炭素量が増加すると、鋼材の強度や硬度が増加するが、靱性や溶接性は低下する。
答 ○
2.熱間圧延鋼材の強度は、圧延方向(L方向)や圧延方向に直角な方向(C方向)に比べて、板厚方 向(Z方向)は小さい傾向がある。
答 ○
3.建築構造用圧延鋼材SN490Bは、降伏点又は耐力の下限値を 490 N/mm2とすることのほか、降伏比の上限値や引張強さの下限値等が規定されている。
答 ❌
- 4.建築構造用TMCP鋼は、一般に、化学成分の調整と熱加工制御法により製造され、板厚が40 mmを超え 100 mm以下の材であっても、40 mm以下の材と同じ基準強度が保証されている。
- 答 ○